千葉県外科医会Chiba Surgeons Association

千葉県外科医会Chiba Surgeons Association

施設紹介Facility

幕張ももの木クリニック

2020.10.5、75歳で新たにクリニックを開業することになってしまった。そのわけとは、ここに来て区画整理事業なるものが現実化し、開業している袖ヶ浦外科を閉院して移転しろというのだ。

この事業計画、実は父親の代からあったのだが遅々として進まず現在に至っている。住民はこの計画に翻弄され続けてきた。何十年も移転を待ち続け、ついに加齢で夢叶わず老人施設に入所したという悲話を何度も耳にしている。まさに残酷物語である。

自分はそんな計画に人生を振り回されてたまるかと40年前に袖ヶ浦外科を開院し、8年前には二世帯住宅も建ててしまった。ところがついに波が押し寄せ飲み込まれてしまったというわけだ。

すでに後期高齢者である自分はこれをチャンスに閉院も視野に移転について家族と相談をした。結果的にはありがたい事に息子が移転をチャンスに後継ぎを快諾してくれたので移転問題はすっきりと片付いてしまった。しかもいずれ来るお世継ぎ問題まで解決し強制移転という災いが転じて福となったわけである。

息子は千葉大先端応用外科に在籍し、専門は大腸肛門科である。今回それに婦人科医である嫁も加わり3人で新らたに幕張ももの木クリニックと改名して新規一転スタートすることになった。

開院して2年になるがコロナ禍にもかかわらず毎日忙しい。ただ困る事は電子カルテなる化け物が導入されたことだ。手は動かず患者さんと話す余裕もない。のんびりと患者さんと喋りながらしていた隠居診療が懐かしく思われる。

幕張ももの木クリニック
院長 武藤 護彦