千葉県外科医会Chiba Surgeons Association

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施設紹介Facility

千葉県立佐原病院

~機動性が当院の生きる道~

当院は常勤4人の体制で、機動性を地域医療として求められています。 

外科手術でも、多施設でも同様と思いますが90歳以上の高齢かつ各種合併症(心不全、COPD、脳疾患後、フレイル、サルコペニア)の患者さんが多く、中等症以上の胆石胆嚢炎、急性虫垂炎や大腸憩室穿孔由来の汎発性腹膜炎等の緊急手術は、当日の緊急手術を実施するようにしております。年齢よりもPSが最終的には、手術可能および術後経過を左右する因子と考えており、PS良好症例は術後経過良好に行く場合が多いと思います。

幸い、当院では画像診断が特段早く撮影され、3DCT画像も15分くらいで作成され、緊急入院も看護師さんその他コ・メディカルのスタッフが協力的でスムースに入院・治療開始できます。また、血液浄化は、限定的にPMXHDFまで外科が担当します。このコロナ下においては、重症例での呼吸器管理は外科予定でしたが、運良くそのような症例に遭遇しませんでした。

2次救急の受け入れを強化しており、PSを極力低下させないようにし、退院後の施設入所まで状態を改善する高齢者医療の実践が唯一の生き残りの道と思っています。3次医療機関からの退院調整の紹介入院も積極的に受け入れしております。

さらに、患者確保のために、4年前より緩和医療を外科で推進したところ、血液疾患から頭頚部、呼吸器、消化器、皮膚癌まで広範ながん緩和患者さんの紹介があり、100%の受け入れを維持してきました。依頼当日の緊急受け入れも実施し、多数のがんセンターやがん拠点病院から定期的に紹介されるようになり、認知されるようになりました。

研修医教育でも、初期研修医は1年次から腹腔鏡下手術のポート挿入、開腹を研修してもらい、当科が作成し実臨床で経験した、腹部CTアトラスを作成して自学自習後に再読影もしております。専修医は、週14例の手術を実施しており多くの症例が経験できます。

今後も当院の機動性を高め、2次救急や高齢者医療や緩和医療を実践し当院および外科の存在価値を維持したいと思います。

千葉県立佐原病院
診療部長 大月 和宣