当院は昭和13年“愛の君津病院”として診療科目7科、医師8名、病床数50床で開院し、創立83周年を迎えました。現在は診療科目38科、常勤医師99名・歯科医師3名、病床数661床と大きく成長し、地域基幹病院としての責務を果たすべく日々努力しております。

呼吸器外科は佐藤行一郞先生（S.42卒）が昭和58年に着任し誕生しました。その後、柴光年先生（S.50卒）が平成11年に赴任して現在の診療体制を確立され、現在は飯田（H.4卒）が引き継ぎ、藤原大樹（H.14卒）、松本寛樹（H.26卒）、大谷祐介（R.2卒）の4人体制＋柴先生の力添えを頂き、肺・縦隔疾患の外科手術、気管支鏡検査・処置、肺癌術後再発時の薬物療法、終末期の症状緩和等、幅広く診療を行っております。令和4年の手術総数は153例、うち原発性肺癌は83例で、過去最多を更新しました。その他転移性肺腫瘍13例、縦隔腫瘍4例、気胸32例でした。

私が千葉大学肺癌研究施設・外科に入局した当時、肺癌手術は大手術で、入院期間は術前後1.5～2ヶ月、手術創は30cmにも及び、有効な薬物治療も皆無でしたが、現在は入院期間10日前後、手術創は4～8cmで、最新の免疫チェックポイント阻害剤を使えば2割強の進行期肺癌が薬物だけで治癒する等、肺癌治療は飛躍的に進歩しております。この進歩に遅れをとることなく、最新の医療を提供すべく、これからも精進して参ります。

国保直営総合病院君津中央病院 呼吸器外科
科長　飯田 智彦