千葉大学大学院医学研究院 呼吸器病態外科学
千葉大学呼吸器外科の歴史は、河合直次教授(旧第1外科)による1952年の第1例目の肺癌手術および1955年の第55回日本外科学会総会宿題報告「わが国における肺腫瘍の現況」の発表に始まります。1959年に肺癌研究施設設置が認可され、1962年には肺癌研究施設第1臨床研究部門に香月秀雄教授が着任されました(1962-76)。その後山口豊教授(1977-97)、藤澤武彦教授(1997-2007)を経て、現在の吉野一郎教授(2007-)に至っています。この間肺癌研究施設は改組となり、教室名称は胸部外科学から現在の呼吸器病態外科学となりました。
2019年まで右肩上がりだった手術件数は約410例(うち肺癌約200例)を超えていましたが、2020年以降はCovid-19の影響により約360例程度まで減少し、一定の手術件数を維持しています。千葉の医療圏における様々なニーズに応えられるよう、胸腔鏡下手術・単孔式手術・ロボット支援下手術を積極的に導入しているほか、進行癌に対しても、術前化学放射線療法や全摘を回避し再建手術を組み合わせることで残存呼吸機能を維持できるような手術を行ってきました。また肺移植認定施設としては、これまで3例の生体肺移植と11例の脳死肺移植を実施してきました。
研究面では肺の移植・再生や癌に関して臨床に即した研究を行っているほか、多施設試験にも積極的に症例登録を行い新しいエビデンスの創出に努めています。毎年新たな入局者を迎え、引き続き日本の呼吸器外科施設の中心的役割を担っています。
千葉大学大学院医学研究院 呼吸器病態外科学(呼吸器外科)
医局長 坂入 祐一